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東京都心部に戸建を買う 自然災害に強い土地の探し方

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2021年10月7日に、千葉県北西部を震源地とする最大震度5強の地震が発生し、東京23区も足立区が震度5強を記録しました。

都内狭小住宅の我が家も地震当日は大きな音とともに揺れましたが、幸いなことにお皿が割れたりするレベルではなく、震度4程度でした。

都心のど真ん中ということで、家の購入価格の殆どを土地代が占め、上物はかなりお安い造りの家になっており、耐震等級は最低限レベルの1です。

建売でも探せば耐震・免震構造がしっかりしていて、そこを売りにしている物件もきっとあるのですが、自分が家を買うタイミングで、且つ探しているエリアにそういった物件があるかどうかは運次第です。

建売物件の場合、購入者の希望で建物の構造に関わる耐震性能を後から変更・強化することは不可能ですので、あとは上物が建つ土地そのものの安全度・危険度を調べて、安心材料を増やしたいですね

そこで、東京都心に木造戸建を買う際に、安全性の高い土地の探し方について、自分が調べたことを書いておきたいと思います。

なお、私は一消費者ですので、専門家の意見ではないことはご了承下さい。

目次

都心部で考慮すべき自然災害とは

自然災害にも色々とありますが、特に東京都心部で気をつけなくてはいけないものと言えば、言うまでも無く地震でしょう。

地震に伴う地震火災のリスクもあります。

また、近年ではゲリラ豪雨猛烈な台風による災害リスクも見逃せません。

こういった自然災害に強い土地、弱い土地とはどういう特徴があるのか、調べてみました。

地震に強い土地、弱い土地

震度6クラスの大地震がいつきてもおかしくないと言われる中で、木造の戸建住宅を買うのはなかなか勇気がいるものです。

そこで、すこしでも頑丈な地盤の土地にある家を買いたいですね。

地震に強い頑丈な地盤とは、

  • 地震時の揺れやすさ
  • 液状化の可能性

の2点で比較することができます。

さらに、地盤とは別にその土地の地震災害のリスクを見るためには、

  • 周辺エリアの木造建築物の密集度

も地震火災のリスクの観点から重要な指針となります。

いずれも、ネット検索で割と簡単に調べられます。

地震で揺れやすい土地

都心は東の低地と西の台地に分かれている

地盤が軟らかいと、それだけ地震時の揺れ幅が増殖されて揺れやすくなります。

東京都心はおおざっぱに分けると、

東部の荒川・利根川の河川付近エリアや湾岸エリアなどは標高が低く、また地盤が軟らかくて揺れやすいところが多い

西部の山の手エリアは標高も高くて地盤が硬く揺れにくい

ということが言われています。

東京は東の低地と西の台地に分かれている(イメージ図)

ここでも山の手神話が出てきますね。

なぜこのように地盤が硬いエリアと軟らかいエリアがあるのかというと、それぞれ地盤の成り立ちと時期が違うということが言われています。

地盤が軟らかい都心東部は、沖積層と呼ばれる河川沿いや沿岸沿いに広がる比較的新しい時代に形成された地盤が広がっています。

川沿いの低地

「河川沿い」「沿岸沿い」というワードからもわかるように、川や海で堆積した土で、水分も多く含まれています産総研の記事を参照しました。)

一方、都心西部の山の手エリアは、武蔵野台地が広がっています。

こちらは洪積層と呼ばれる地盤で、沖積層よりも前に形成された頑丈な地盤と言われています。

武蔵野台地は、関東ローム層と呼ばれる火山灰が堆積して形成された、比較的硬い地盤で覆われています。

都心部が東の低地と西の大地に分かれている様子は、こちらの記事の添付図(やはり産総研さんが作成されているようです)がとてもわかりやすいので、是非ご覧下さい。

東側の低地に含まれるエリアは、足立区、荒川区、台東区、墨田区、江戸川区、江東区、中央区、そして港区、品川区の一部になります。

隅田川流域(浅草エリア)

地盤の頑丈さという観点だけで考えると、これらの低地区に木造戸建を購入するのであれば、よりしっかりした耐震・免震構造をもった家を検討したほうがより安心です。

中央区、江東区は高層マンションブームに沸いており、こうした地盤の弱点とは無縁のように感じられますが、コンクリート作りの建物や大型マンションは、木造の戸建とは基礎が全く違いますので、ここはあくまで木造戸建の場合に限った考察です。

なお、2021年10月の地震の際に、23区の多くが震度4だったのですが、足立区では震度5強を記録しました。こちらの東京新聞の記事にもあるとおり、足立区は荒川が流れており、典型的な都心東部の低地です。地盤の柔らかい低地は地震で揺れやすいという実証例の一つかと思います。

台地エリアでも油断できない盛土造成地

西部にお住まいの皆様、地盤の頑丈さでは安心ですね!

と言いたいところですが、実は武蔵野台地の上にあっても、かなり広い範囲で低地並みに地盤が軟らかいエリアが存在しているのだそうです。

それは、武蔵野台地の中に広く存在する埋没谷という呼ばれる地形のエリアです。

埋没谷とは、谷型に窪んだ低地に盛り土で高さを揃えたエリアのことです。

これまた産総研さんが発表された研究結果を受けた記事なのですが、こちらのLIFULL HOME’S PRESSの記事がとても興味深いです。

この記事によれば、世田谷に西側のエリアに一つ、そして代々木・渋谷辺りから高輪まで広くつながるもう一つのエリアに埋没谷が広がっているそうです。

渋谷

これらのエリアは高級住宅街も含まれていますが、高台とはいえ、その地盤には盛り土の軟らかい土が含まれているので、地震の際には揺れやすい可能性が高いようです。

たてうりパパ

よく地名には昔の大災害の記憶が刻まれていると言いますが、渋谷の「谷」はまさにそれなのでしょうか。 その昔、「蛇崩」と呼ばれる地名の近くに住んでいましたが、それこそ地滑りが起きた歴史があったかも知れませんね。

また、東京はもともと高低の起伏が激しい地形ですので、局所的にやはり窪んだ谷状の土地に盛り土をし、高さを揃えて平地にしたスポットが散在しています

こうした埋没谷は一見しただけでは見分けがつきませんので、注意が必要ですね。

台地エリアを流れる小さな河川流域も要注意

さらに、都心西部に位置していても、神田川や妙正寺川、桃園川といった小さな川が近くを流れている場合その周辺エリアは低地となって窪んでおり、揺れやすい軟らかい地盤になっています

住宅街を流れる小さな河川流域

これらのエリアは地震だけでなく、大雨の際の土砂崩れや浸水の危険もあり、自然災害のリスクが大きいエリアと言えます。

近年頻発するゲリラ豪雨の際は、これらの河川流域の近隣エリアにいると、ひっきりなしに携帯に防災情報が送られてきます。

川の近くに住むと、天気の良い日の散歩やジョギングに気持ちがいいような気もします。

私も独身時代に多摩川エリアに住んだことがありますが、実際、休日を過ごすのに土手沿いを走るのは最高でした。

ですが、床下浸水の危険が常に隣り合わせと考えると、木造戸建を買うエリアとしてはあまりお勧めではありません。

液状化のリスク

地震の際に気をつけなければいけないのは、揺れの強さだけではなく、地盤の液状化のリスクも考えなくてはいけません。

液状化(イメージ)

液状化のリスク高い地盤とは、砂が堆積した土地で、さらに地下水の水位が高く、水分を多く含んだ砂が緩い状態の地盤だそうです。

*地盤調査会社のジャパンホームシールドのホームページの記事に詳しく書いてありますので、是非ご参照下さい。

都心部でこの条件が揃いがちなエリアと言えば、ほぼ先述の揺れやすいエリアと同じと思います。

例えば、やはり都心東部の河川沿いや下町の低地エリアがこれに該当します。

また西部の高台エリアでも、神田川などの河川流域は液状化のリスクが高いエリアと言えます。

埋没谷などの盛り土で埋められたエリアも、やはり液状化リスクが高いと言えるでしょう。

地震火災のリスク

また、大規模地震が発生した際には、同時多発で火事が発生する可能性があります。

そのようなケースでは、地盤とは別に、近隣エリアの木造建築物の密集度合いが災害危険度に関わってきます

古い木造の家が密集しているようなエリアでは、あっという間に火が広がってしまう上に、思うように消防活動が行えない、というダブルのリスクがあるようです。

より安全な土地を探す際には、地盤だけでなく、近隣エリアの木造住宅密集度も見てみると良いと思います

都市整備局の「木密地域不燃化10年プロジェクト実施方針」によれば、山手線の外周を取り囲むように木造住宅が密集している地域が広がっているようです。

但し、山手線の内側でも隣家との距離が殆どなく老朽化した木造住宅が密集している地域はあります。

気になる地域があるのであれば、グーグルマップで簡単に近隣の状況が調べられますので、家の密集度は事前チェックが可能です。

家は長年住むものですので、購入時の状況だけでなく、数年後にその近隣エリアがどうなるのか予想しながらチェックすることも大切だと思います。

古い木造住宅は建て替えの際に、セットバックして道が少し広くなる可能性もあります。

数年、あるいは十数年かけて古い家が徐々に新築の家に建て替わることで、地震火災のリスクは軽減されていくでしょう。

気になる土地・地域の安全度を知る便利ツール

土砂崩れ、浸水、液状化、揺れやすさ、そして地震火災と、気にすべき自然災害のリスクは色々あることがわかりました。

家や土地を買う際には、その土地における各自然災害のリスクを調べて知ることが大切です。

私も今の家を買うときは知りませんでしたが、ピンポイントで気になる土地の自然災害リスクについて調べられるツールがありました。

地盤サポートマップ(無料)

気になる物件が見つかったら、地盤調査会社のジャパン・ホームシールド社が作成した地盤サポートマップを参照してみましょう。

地盤サポートマップで知りたいスポットを検索すると、「地形」「地質」「浸水の可能性」「地震時の揺れやすさ」「液状化の可能性」「土砂災害の可能性」が表示される仕組みになっています。

情報の正確さは素人の私には分かりませんが、参考にはなると思います。

揺れやすい地盤(無料)

朝日新聞デジタルが提供しているツールです。

ボックスに知りたい土地の住所を入力して検索すると、その地域の地形や地震時の揺れやすさが表示されます。

地域危険度一覧表(無料)

東京都都市整備局が提供している地域危険度一覧表です。

調べたい自治体をクリックすると、その自治体の各町丁ごとの「建物倒壊危険度」「火災危険度」「災害時活動困難度」「総合危険度」が表示されます。

ざっくりと気になるエリアの危険度を把握するのに参考になるでしょう。

東京 良い地盤ランキング(無料)

地盤ネット社が発表した、同社地盤スコアによる東京都市区町村別の良い地盤ランキングです。

これは家探しの初期に、どこの区で探すのが良いかターゲットをざっくりと絞る際に参考になる情報です。

このランキングを見ると、東京西部の武蔵野台地上の自治体が上位にランキングされています。

23区で見ると、やはり武蔵野台地にのっている練馬区が最も上位にランキングされています。

一方、江東区、中央区、墨田区、荒川区、江戸川区、台東区、足立区、葛飾区といった東京低地にある下町エリアは軒並み下位にランキングされています。

これらの地域にマイホームを購入するのであれば、しっかりと地盤の硬い深さまで基礎杭が打たれ、耐震・免震構造がしっかりしている鉄筋コンクリート造の大規模マンションが安心ですね。

まとめ 東京都心エリアではどこが安心なの?

色々と調べてきましたが、ざっくりと

  • 東京低地にある下町エリアで家を買うなら耐震・免震高性能の住宅が安心
  • 西部の武蔵野台地エリアは概ね安心だが、埋没谷や河川流域エリアには注意が必要

ということのように思います。

但し、先述の通り、台地エリアでも場所によっては地盤が軟らかいところがありますので、

先述の便利ツールを駆使してピンポイントで気になる土地・エリアの自然災害リスクを調べて把握し、購入を検討するのが良いでしょう。

最終的に家を買う決定をする際には、売り主に地盤調査報告書を見せて貰うようにしましょう。

以上、参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

都内在住共働き世帯の父。趣味は家事、筋トレ、海外旅行。マイホーム住み替えの体験談から派生した「おうちごと」ブログやってます。

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