家族旅行中に虫垂炎で緊急入院したtateuri daisukeです。
サムイ島でのファミリーバケーションから一転、下腹部の激痛でバンコクの病院にて手術入院となった顛末はこちらとこちらの記事をあわせてご覧下さい。
さて、先に帰国して貰った家族から遅れること2日。
なんとか痛む下腹部をかばいながら帰国したdaisukeでしたが、帰国してすぐにとりかかったのが保険金の申請です。
こちら↓の記事で書いたとおり、入院する前にあらかじめ自分の保険で何がカバーされるのか、保険金申請をするにはどの書類が必要なのかをある程度把握していましたので、それほど大きな不安はありませんでした。
私が実際に保険金申請をしたものも含めて、海外で入院した医療費をカバーしてくれる保険をおさらいしてみます。
ANA VISA スーパーフライヤーズカード付帯の海外旅行保険
カード付帯保険でカバーされるもの
私が旅行当時に持っていたのがANA VISA スーパーフライヤーズ ゴールドカードでした。
このカードに付帯する海外旅行保険の補償内容は以下の通りです。
これは一般スーパーフライヤーズカードでも同じです。
今回私が入院したのはタイのバンコクでした。
比較的医療費は標準的な(日本とそれほど変わらない)国だったので不幸中の幸いでしたが、これがハワイだったりすると大変です!
プラチナカードの上限額くらいあるとより安心ではあります。(年会費がとても高いですが…。)
続いて当該カードの保険でカバーされるものは下記の通りです。
- 医師の診察費、処置費、手術費
- 医師の処置・処方による薬剤費、治療材料費、医療器具使用料
- 諸検査費、手術室使用費、職業看護師費
- 入院費、入院できないやむをえない事情により、ホテル等で医師の診察を受けた場合の客室料
- 治療のために必要となった通訳雇入費用
- 病院までの緊急移送費
- 入院により必要となった次の費用(20万円限度)
- 国際電話料等通信費
- 入院に必要な身の回り品購入費(5万円限度)
- 入院により当初の旅行行程を離脱した場合に、旅行行程に復帰または直接帰国するための交通費及び宿泊費*(*但し、払戻を受けた金額や負担を予定していた金額は控除されます
- 病院までの交通費*(*保険会社が妥当と認めたものに限ります)
- 法令に基づき、公的機関より消毒を命じられた場合の消毒費用
念のため、最新の補償内容をANAカード公式サイトでご確認下さい。
私のケースの場合、下記の出費が入院関連でありました。
タクシー代はバンコクの宿泊ホテルから病院の往復です。
入院費には診察費、検査費、手術費、薬剤費、入院費、食事代等、現地病院でかかった費用全てが入っています。
ホテル宿泊費は、退院したその日の便で帰国するのは体力的に厳しかったため、バンコクのホテルに一泊したホテル代です。
朝食はホテルがクラブサービスをサービスしてくれたのでかかりませんでした。
ハイヤー代は、ホテルから空港に向かうために手配したものです。
運転の荒いタクシーで1時間以上の道のりを行くのは厳しかったため、ハイヤーを使いました。
また、帰国便はもともと買っていたものには搭乗できなかったため、新たに復路便を買い足しました。
ここで注意が必要です。
カードの海外旅行保険の説明に、交通費及び宿泊費について払い戻しがあったものや、もともと支払う予定のあったものについては、その金額を控除する、と書かれています。
空港に向かうハイヤーに関して、家族が当初の予定通りに前々日に利用して帰っていますので、私が利用した分については、「もともと支払う予定のあったもの」には該当しません。
一方、買い足した復路の航空券については、もともと買っていた復路の分を差し引かなくてはいけません。(しかも、後述しますが、ANAが親切に返金してくれることになっています。)
保険金請求の仕方
何がカバーされるかが分かったところで、クレジットカードの保険の窓口に電話を入れます。
ANA VISA スーパーフライヤーズ ゴールドカードの保険の連絡先は、VJ保険デスク(三井住友海上)です。
(連絡先はANAカード公式サイトを参照下さい。)
デスクで伝えることは以下のポイントです。
- タイを旅行中に虫垂炎を発症し、手術入院したこと
- 旅程を変更せざるを得ず、追加で航空券を購入、ホテルも一泊したこと
- 元々の旅程と変更後の旅程(出国日と帰国日)
続いてデスクのオペレーターから、請求したいものは何か聞いてきます。
そこで先述の出費アイテム(入院費、タクシー代、ハイヤー代、ホテル代、航空券代差額)があることを伝えると、それぞれ保険がカバーするかどうか確認してくれます。
勿論どれも問題無くカバーされるとのことでした。
電話はこれで終了です。
後日、保険金申請書が送られていますので、そこに必要事項を記入し、また提出が必要とされる書類を入れて返送することになります。
カード付帯保険の保険金申請に必要な書類は以下の通りでした。
- 保険金申請書
- ANAカードのコピー
- 日本出入国日、及び本人の名前を確認できる書類
- 医師の診断書(治療費が10万円を超えるものについて必要)
- 治療費用の明細書及び受領書
- その他、必要と思われる関係書類
③については航空券のeチケットとパスポートの出入国記録のコピーで良いですね。
④と⑤の診断書、治療費明細書、受領書については入院先の病院で退院時に貰います。
帰国後に取り寄せようとすると(追加で必要な場合も同じです)、かなり時間がかかることがありますので、退院時に少し余分に部数を貰った方が無難です。
私も1部追加で必要になり、取り寄せに3ヶ月かかりました…。
因みに、診断書、治療費明細書、受領書とはそれぞれ以下の通りです。
必要書類 | 英語の書類名(例) | 内容 |
---|---|---|
診断書 | Medical Certificate | 医師による診断書で、患者名、診察日、病名等が書かれています |
治療費明細書 | Medical Fee Statement | 診察料、検査費、薬剤費、手術費、入院費等の明細一覧です |
受領書 | Receipt | 病院が発行する医療費の領収書です |
三井住友海上の場合、上記書類は入院先の病院の定型フォーマットで大丈夫でした。
後述する公的健康保険の場合、規定のフォーマットに病院に書き込んで貰う必要があるようですので、ご注意下さい。
最後に⑥の「その他、必要と思われる書類」については、私の場合は以下が該当しました。
請求事項 | 提出書類 |
---|---|
タクシー代 | レシート、クレジットカードの明細(円貨確認のため) |
ハイヤー代 | レシート、クレジットカードの明細(円貨確認のため) |
ホテル代 | インボイス、クレジットカードの明細(円貨確認のため) |
復路航空券代 | 追加購入した航空券の領収書、カード明細(カード払いのため)、払い戻しのあった航空券の払戻明細書 |
なお、入院に際し、追加で衣服や日用品を購入する必要があった場合は、それらも保険でカバーされることがあります。
私も何か買っても良かったのかも知れませんが、手術した傷口が痛すぎてお店に行くのもままならず、手持ちの服を着回しました。
申請からどれくらいで幾ら戻ってくる?
保険デスクに電話をしてから、書類はすぐに郵送されてきます。
必要書類を整えて返送し、ものの1週間で保険金は支払われました。
とても素早い対応です。
つまり、入院によって追加で発生した支払いは、全額が保険でカバーされたということです。
健康保険の海外療養費の申請
公的医療保険でも、海外でかかった医療費を海外療養費として保険金申請することが可能です。
海外療養費でカバーされるもの
公的医療保険とは、私の場合は勤務先の健康保険です。
全国健康保険協会によれば、海外療養費とは下記のように説明されています。
海外療養費とは
全国健康保険協会
海外療養費制度は、海外旅行中や海外赴任中に急な病気やけがなどにより
やむを得ず現地の医療機関で診療等を受けた場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けられる制度です。
「一部医療費の払い戻し」とありますので、クレカの付帯保険のように医療費の全額が戻ってくるわけではありません。
給付の範囲は以下の通りです。
日本国内で保険が適用される医療行為(但し、治療が目的で海外に渡航した場合は対象外)
美容整形やインプラント治療などは対象外となります。
また給付される金額は
日本の医療機関で同じ医療行為を受けるのにかかる医療費から、患者が自己負担する金額を差し引いた額
とされています。
つまり、日本で治療したと仮定して、健康保険がカバーするであろう金額を給付する、ということです。
6歳から70歳未満の人は、所得に限らず医療費は3割負担です。
従い、以下の計算式で給付金が計算されます。
【海外で支払った医療費】ー【国内の治療費x70%】
海外療養費の請求の仕方
まずは勤務先の健康保険組合に電話をし、カード付帯の保険デスクと同様に用件を伝え、規定の保険金申請書類を送って貰います。
海外容量費の請求に必要な書類は以下通りです。
- 海外療養費支給申込書(各健康保険組合の指定のもの)
- 診療内容明細書
- 領収明細書
- 領収書原本
- ②~③の日本語訳
- 受診者の海外渡航期間がわかるもの(パスポート、Eチケットのコピー)
- 同意書(必要に応じて保険組合が病院に内容照会をすることに同意します)
上記のうち、②、③については、健康保険組合の規定フォォーマットがありますが、同じ内容がカバーされていれば、病院独自のフォーマットでも大丈夫です。
但し、日本語訳は必ず添付しないといけません。
以上の書類を整えて送付すれば手続きは終了です。
航空券の払い戻し
*これは保険ではなく、純粋にANAのご厚意で払い戻しして頂いたものです。
現地で入院したために、当初購入していた復路便に搭乗することができませんでした。
入院中の病院からANAに電話をし、入院のために搭乗できないことを伝えると、払い戻し不可のチケットだったのにも拘わらず、ご厚意で後日払い戻しをして頂けるとのことでした。
帰国後、再びANAの窓口に電話をすると、下記の書類をANAの公式サイトの「お問い合わせ・サポート」ページから送るようにとの指示でした。
- 医師の診断書
- 搭乗しなかった航空券(eチケット)
添付ファイル形式で送る必要があったため、写メで撮影したものを送りました。
すると、後日、払戻証明書が添付されてANAよりメールが届き、払い戻しも完了していました。
とっても迅速な対応で感謝です!
まとめ
海外で入院した医療費や、現地でかかった様々な諸経費は、以下の保険金・給付金/払戻しが受けられる可能性があります。
- クレジットカード付帯の海外旅行保険
- 勤務先の健康保険
- 事情によっては航空会社から使わなかった航空券の払い戻しも
ご自身の場合はどれに当てはまるのか、加入されている保険、共済、健康保険組合の公式サイトを調べてみて下さい。
必要な提出書類は大概同じなのでは、と推測しますので、当記事を参考に準備してみて下さい。
以上、皆様のいざという時のお役に立てれば幸いです!